慢性腰痛に効く運動はこれ!ストレッチ・体幹トレ・マッケンジー法の効果とは?

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☑️【2分で読める要約版】

慢性腰痛に悩む人必見!効果的な3つの運動療法とは?

腰の痛みがなかなか治らない…。そんな「慢性腰痛」に悩む方は多く、日常生活にも支障をきたすことがあります。
そこで注目されているのが、ストレッチ・体幹トレーニング・マッケンジー法という3つの運動を組み合わせたリハビリです。

最近の研究では、この3つを組み合わせることで、特に”「歩くこと」に関する機能の改善が期待できる”と報告されています。

◆ 各運動のポイント

  • ストレッチ:筋肉や関節を柔らかくして、痛みの原因となる負担を軽減。
  • 体幹筋トレ:腹筋や背筋などを鍛え、姿勢を安定させて腰への負担を減らす。
  • マッケンジー法:自分の痛みが楽になる方向(例:反る・丸める)を見つけて、繰り返し動かすセルフエクササイズ。

◆ 研究の結果は?

慢性腰痛の患者410名を対象に行った調査では、マッケンジー法を取り入れたグループのほうが、日常生活における「歩行のしやすさ」がより改善したという結果が出ました。
特に「椎間板障害」がある人に効果が高いと考えられています。

◆ まとめ

慢性腰痛に対しては、「安静にする」よりも自分に合った運動で改善を目指すことが大切です。
ストレッチや体幹トレだけでなく、マッケンジー法も取り入れることで、より高い効果が期待できる可能性があります。長引く腰痛に悩んでいる方は、ぜひ医療機関に相談し、専門家の指導のもと運動療法を取り入れてみましょう。

慢性的な腰の痛みに悩むあなたへ。注目される「3つの運動療法」の組み合わせとは?

腰の痛みに悩んでいませんか?
特に「治療を受けても良くならない」「痛みが慢性化している」と感じている方は少なくありません。実は、腰痛は日本人の訴える不調の中で、男女ともに常に上位にあがる症状です。

今回ご紹介するのは、慢性腰痛に対して効果が期待できる運動療法についての研究です。特に注目すべきは、「ストレッチ」「体幹の筋トレ」「マッケンジー法」という3つの方法を組み合わせた新しいアプローチ。これらを併用することで、腰痛による生活の不便さ、特に「歩くこと」に対する改善がみられたという報告がありました。

この記事では、その研究の内容をわかりやすく解説していきます。

慢性腰痛とは?そしてなぜ治りにくいのか?

腰痛には「急性」「亜急性」「慢性」がありますが、慢性腰痛とは、3ヶ月以上続く腰の痛みを指します。その原因は様々で、筋肉の硬さ、関節のゆがみ、椎間板の損傷などの身体的な要因に加えて、ストレスや不安といった心理的な要因も関わってくるといわれています。

そのため、単純な薬やマッサージだけでは改善しないことも多く、根本的な治療が必要となります。

3つの運動療法とは?

今回の研究では、次の3つの運動を組み合わせた治療方法に注目しています。

ストレッチ

固まった筋肉や関節をほぐすことで、動きやすくし、痛みを軽減します。

体幹筋の強化(腹筋や背筋など)

姿勢を保つ筋肉を鍛えることで、腰にかかる負担を減らします。

マッケンジー法(McKenzie Method)

一人ひとりの痛みの「出方」に合わせた方向性のあるエクササイズ。
痛みが軽くなる方向(例:腰を反らす)を見つけ、その動きを繰り返していくという手法で、セルフケアとしても注目されています。

研究の内容と方法

この研究では、慢性腰痛を訴える410人の患者が対象となりました。すべての患者がストレッチと体幹筋トレーニングを受けていましたが、そのうち172人はマッケンジー法も併用しました。そして、治療前・1ヶ月後・3ヶ月後の変化を、痛みや生活の質(QOL)の指標である質問票を使って評価しました。

結果はどうだったのか?

すべての患者において、時間とともに痛みや生活の質は改善していきました。しかし注目すべきは、マッケンジー法を併用したグループのほうが、特に**「歩行機能」に関する改善が大きかった**ということです。

これは「ただ痛みが軽くなる」だけでなく、「日常生活での動きやすさ」が向上したことを意味します。例えば階段の昇り降りや、買い物時の歩行など、日々の生活に直接関係する部分で良い変化が現れました。

なぜマッケンジー法を加えると効果的なのか?

この治療法のポイントは、「痛みが軽くなる動きを見つける」という個別対応にあります。痛みの原因は人によって異なりますが、マッケンジー法では評価の段階でその人に合った動きを探し、それを中心にエクササイズを組み立てます。

さらにこの方法は、患者自身が自宅でも継続できるシンプルな内容になっており、「自分で痛みをコントロールできる」という安心感にもつながります。
それが結果として、活動性(動こうとする気持ち)や自己効力感の向上にもつながり、生活全体に良い影響を与えていると考えられます。

注意点と今後の課題

もちろん、すべての人に同じ効果があるわけではありません。研究でも、歩行機能の改善は確認されましたが、痛みや精神面での「有効率」(効果があったと認められた人の割合)には統計的な差は見られませんでした。

また、今回の研究は過去の記録を元にしたもので、より確実な効果を証明するには、今後「無作為化比較試験(RCT)」といった方法での検証が必要です。

まとめ|腰痛は「動かして治す」時代へ

慢性腰痛は、「安静にする」だけでは治らないケースが多く、自分で動いて改善することがカギとなっています。

ストレッチ、体幹筋トレーニング、マッケンジー法という3つのアプローチを組み合わせることで、腰の痛みだけでなく、動きやすさや日常生活の質の向上にもつながる可能性があると、今回の研究は示しています。

もし長年の腰痛に悩んでいるなら、「自分に合った運動療法」が大きな助けになるかもしれません。一度、医療機関での相談や専門家による評価を受けてみてはいかがでしょうか?

参考文献

葉 清規ほか(2025)『慢性腰痛に対してストレッチ,体幹筋強化,マッケンジー法を併用した運動療法の効果』Journal of Spine Research, 16(5), 803-812. 
JSTAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
※詳細な内容に関心のある方は、原著をご参照ください。

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